行政書士寺村事務所のブログ

滋賀県彦根市の行政書士寺村事務所です。自動車関連のお仕事や、相続関連のお仕事をやっております。どんなことでもかまいませんので、どうぞ、お気軽にご相談ください。

池袋の高齢者による暴走事故。とても悲しい事故ではあったけれど、当該の被告、ひとりだけの責任で終わる話ではない。最終的には、この事故は国民全員の総意によって生み出された事故だと言える。

東京、池袋で発生した、とても悲しく、やりきれない事故。

 

今日、検察は、被告に対して、禁固7年を求刑したというニュースが流れた。

 

news.yahoo.co.jp

 

多くの意見は、この被告への求刑に対して、「なぜ二人を殺して、たったの7年なのか」、とか、「そもそも、なぜ、逮捕されないのか」、とか、「どうせ、執行猶予がつくのだろう」、とか、「高齢者であるので、仮に、禁固刑が決まっても収監はされないだろう」、という意見がおおかた予想された感想だったように思う。

 

まあ、確かに、まともに運転できない人間が、ブレーキを踏んだつもりで、アクセルを踏み続け、何人もの人をなぎ倒し、結果として、若いお母さんと娘さんをひき殺した、という事実は確かであり、遺族にとっては、被告の7年の禁固と、自分の大切な人の命を奪うことを比較することもできない、っていう気持ちが強いだろう。

 

もし、自分が、その立場になっていたら、いっそのこと、無罪放免にしていただき、その代わりに、自分自身で、その人物を、ナイフなり、拳銃なり、撲殺によって、仮に殺人罪で刑を受けたとしても、その人物を殺してやりたい、って思うだろうな。これは、あくまで、自分がその立場になれば、という前提だけど。

 

今回、被害者の遺族は、とても冷静に対応しておられることが、逆に、どうしようもない現状に、自分の気持ちをどこに吐き出せればいいのだろう、と、毎日、苦痛を感じておられるのもよくわかるので、本当に、おつらい気持ちをお察しいたします、としか言えないのが、とてもつらいことではある。

 

で、言いたいのは、なんで、こんな悲しい事故が、起こってしまったのか。昨日今日、始まった話ではなく、これまでも、運転者のとんでもない運転により、大切な家族を死に至らせる事故が、毎年、どこかで発生している。

 

先日の、千葉県八街市で起こった事故でもそうだし、前から、運転者の過失といっていいのか、それとも、過失以上のなにかによって、と言っていいのかはわからないけれども、決まっているのは、いつも泣くのは被害者、およびその被害者の家族、親族であり、被疑者が、仮にどんな罪になろうが、そんなことより、自分の大切な人を帰してくれ、ってことだろう。

 

これらの事故は、なぜ発生してしまうのか。

 

今回の池袋の例で言えば、なぜ、あのまともに、歩くこともできないような、また、まともに、事実を自分で判断することができないような人物に、なぜ、運転免許証が許され、運転すること自体を阻止できないのか、ってことだ。

 

今回の被告が、前の免許更新の際に、どうやって運転免許を更新したのだろうか。

 

事故が発生したのが、2年前だが、その時、被告は、88歳。免許更新が、ゴールド免許だとしても、少なくとも85歳の時くらいには免許更新があったと思われる。

 

その時に、この被告に対して、運転免許証を更新するに足りる能力があったのかどうか。仮に、ちょっとこれは無理かな、と思いながらも、気をつけて運転してください、という忠告がありながらも、免許更新がなされたのか。

 

その真実はわからないが、結果的に、免許更新がなされ、堂々と法律にしたがい、運転をしたにすぎないのではないか。

 

で、結果的に、今回の悲しい事故が発生した責任を、公安委員会は、一切、責任を負うことなく、今日も、何百人という運転不適切者の免許更新をやっている。

 

これは、公安委員会が悪いのではなく、その運転不適合を判断する基準が、甘いからであり、よっぽどのことがない限りは、免許更新がなされる、っていうことが今回の事故の原因である、と言って間違いないだろう。

 

で、それを誰が決めたのか、と言えば、警察庁がその基準を決めたということでもあろうけれど、役所の人間が決めたと言えばそうだけど、これまでの多くの、悲しい事故が発生しているにも関わらず、法律整備をしてこなかった国会議員の責任であり、その国会議員を選出したのは、国民だということだ。

 

今回の事故の発生とともに、法律の厳罰化がはかれるかもしれないが、根本的な問題解決にはいたらない。

 

なぜ、こういう人物なり、いろんな事故で人の命を奪うような事故を起こす人間が、運転が出来る状況を作ってきたのは、決して、役所の職員でもなく、国会議員でもなく、最終的には、その国会議員を選出した、自分も含めた、選挙民であり、その総意で選択された議員によって作られた法律によって生じた事象であり、問題解決するためには、この交通事故による被害を、どうやって減らせるのか、ということを訴える議員を選択しなかった選挙民の責任なのである。

 

とても悲しい事故が発生するたびに、事故の当事者だけを非難し、ネットでたたくだけたたき、それで自分の気持ちを抑えるってことであれば、そんな人物に、今回の事故を非難する権利はない。

 

このような悲しい事故が、もう二度と発生しないように、免許制度を含め、インフラ整備をすすめ、いかに、交通事故による、被害者を少しでも減らせるような政治を行える人を、選挙民が選択し、その人によって、少しでも、悲しい事故が発生しないように、望むものである。

 

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