行政書士寺村事務所のブログ

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自動車のユーザーを裏切るペーパー車検。まあ、今回はなんで発覚したのかはわからないけれど、まあ、氷山の一角っていうことだろう。

今日、沖縄で、いわゆる「ペーパー車検」が発覚し、その整備会社の社長が逮捕された、っていうニュースが届いたけど、こんなこと、全国各地で行われていて、たまたま、今回は発覚しちゃった、ということで、それは、氷山の一角ってことなんだろうね。

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つい、先日も、なんと、あの世界のトヨタでさえ、レクサス高輪で、正規の検査をせずに、数値の改ざんが発覚し、トヨタはごめんなさい、って謝ったけれど、これは、謝ってすむ問題ではないってことは確かだ。

 

車検の整備工場について、少し説明すると、車検工場といっても、「認証工場」というものと、「指定工場」という2種類がある。

 

一般のひとは、どちらも同じだろう、って思うかもしれないけれど、このふたつの工場には、大きな差がある。

 

認証工場は、基本的に、単なる自動車整備工場というもので、そこで車検を受けたからといって、新しい車検証が発行されるわけではなく、運輸支局まで自動車を持ち込み、実際に運輸支局の車検ラインを通って、合格しなければ、新しい車検証は発行されない。

 

一方、指定工場は、運輸支局と同じような車検ラインを保持しており、そこで、指定の検査を行い、それで合格すれば、あとは、書類だけを運輸支局に提出し、自動車を運輸支局まで持ち込む必要がない。

 

指定工場は、実際に運輸支局に自動車を持ち込む必要がないゆえに、指定工場の指定を受けるには、厳密な調査が行われ、これなら、指定工場として認めてあげよう、ということで、はじめて、指定工場となるわけだ。

 

だから、大手の自動車ディーラーは、自社の整備工場を指定工場と認められているケースが多く、運輸局からお墨付きを受けたので、そこで行われた車検整備点検は、信用できるというものである。

 

今回、沖縄で起こったペーパー車検は、具体的にはどうなのかはわからないけれど、指定工場で、実際に、運輸支局に自動車を持ち込むことなく車検を通したのかな、と思われるが、どうなのかな。

 

もし、そうであれば、指定工場というものの趣旨が、本来、性善説で成立しているので、それがそうでなかったとすれば、もはや、指定工場という存在意義がなく、それが、多くの工場で行われていたととすれば、本当に、怖いことでもある。

 

レクサス高輪は、この事件を受けて、まあ、当然、指定工場ではなくなったと思うけれど、そのあたりは、トヨタというバックがあるので、ごめんなさい、で終わり、しっかりと、今日も、指定工場として運用しているのかどうかはわからない。

 

で、本題に戻り、車の検査をやって、どうも、数値が合わない、あるいは、明らかに、これは、車検にとおる状況じゃない、っていうことであっても、もし、ユーザーから、「ちょっとお金だすから、なんとか車検とおしてよ」って、目の前に現金を積まれれば、それは、そうなってしまうのかな、って感じだよな。

 

ただ、前にも話したように、指定工場は、性善説で成立しているのであって、それが成立しないのであれば、日本全国の指定工場は、すべて、信用できない、ってことになる。

 

ましてや、世界のトヨタですら、やっちゃったんだからね。

 

まあ、こんな事象は、日本国内、見つからないだけで、何十、いや、何百とあるかもしれない。

 

そもそも、日本の車検制度が厳しすぎるとか、車検の年数が短すぎるとか、いろんな意見もあることは招致しているけれど、法律で決まっていることをやらないで、それで、客からお金を徴収し、どうぞ、公道をどうどうと走ってください、っていうのは、絶対にやってはいけないことではある。

 

今回の事件を受けて、運輸局は、指定工場の検査を強化してくれればいいんだけど、そんな暇もないだろうし、相変わらず、こういうことは、続くんだろうね。

 

つかまった整備工場をみて、他の整備工場は、「アホやなあ、もっとうまくやれば、つかまらずにすむのに・・」、って微笑んでいる整備工場も多いだろう。

 

日本において、この車検制度をもう一度見直し、本当に信頼できる工場には手厚く、信頼できない工場には、それなりの制裁とも言うべきなにかしらの行動を取る必要があると思うんだけどな。

 

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