行政書士寺村事務所のブログ

滋賀県彦根市の行政書士寺村事務所です。自動車関連のお仕事や、相続関連のお仕事をやっております。どんなことでもかまいませんので、どうぞ、お気軽にご相談ください。

淡路島の巨大観音像を、国の費用で解体が始まったことについて。8億8千万の血税が、ひとりの人間の勝手な行動により、使われることに納得できない。

日本の法律において、これは仕方のない、ってことではあるけれど、こういうことがあるのであれば、法律を変える必要があるよね。

 

現在の相続に関する法律である、民法であれば、この観音像は、たぶん、不動産登記法上では、建物として、登記されていることは間違いなく、この観音像を作った人は、たぶん、作った当時は、かなり、羽振りも良く、その勢いで、作っちゃったんだろうとは思う。

 

最初は、観光客も多かったようで、地元の名物ができた、ってことで、この観音像を観光名所にして、観光客を呼び込もう、っていうことが、地元民、あるいは、地元の自治体も、ありがたい施設である、って考えていたのではないかな。

 

ところが、時が経過すると、いつの間にか、客は減り続け、観光客収入を得られなくなり、そのうち、債務が多くなった後に、この建物(土地もだろう)の所有者が亡くなった、っていうことなんだろうね。

 

まあ、相続人はいたようだけど、建物と土地の、現在価値と、建物の処分費用が考えた時に、自分に利益があるとは判断できなかったため、相続放棄、という手段を取ったんだろうと思う。

 

現在の民法では、相続人が被相続人の死亡があり、自分に、その相続権があるということを知ってから、3ヶ月以内に相続放棄をすれば、その正の遺産も、負の遺産も含めて、全部放棄することが可能なので、全員が相続放棄すれば、最終的には、土地や、観音像、および、その人の預貯金を含む資産について、すべてを相続放棄したということで、その人に相続権は失われ、相続人全員が放棄をすれば、それが国の財産となる、ってことで、今回は、そうなったようですね。

 

結果的には、たぶん、預貯金はほとんどないだろうし、土地も、どうだろう、せいぜい、査定額は、100万円くらいなのかな。

 

それに対して、観音像の財産は、マイナス8億8千万ってことになるから、相続人誰もが相続放棄するしかないだろう、ってことなんだけど、こんなことで、国民の血税、9億円近くものお金を、国民が負担することになることに、誰が理解できるのであろうか、って思うんだけど、みんなは、どう思うのかな。

 

まあ、めったにない事象であり、それを法律化することには、ちょっと、っていうことも考えられるけれど、実際にこういうことに至った場合に、結果的に、国民が、ひとりのバカのために、9億円近くのお金を負担しなければならない、っていうのは、どう考えても、どう考えても納得できないんだよね。

 

で、言いたいのは、土地はなんとかなる。(ならない場合もあるけど)

 

不動産登記法上の「建物」については、どうしても、いつかは、廃墟となるわけだから、自動車と同じような、リサイクル料金を登記の時に、保証金として預かる法律を作れないものであろうか。

 

この観音像以外でも、今、廃屋問題が、現状、多くなっている。

 

相続人が、誰も相続しなくて、廃墟となった建物が、隣の家にとって、とんでもなく、不安かつ、迷惑なものになっているけれども、それには、所有権があり、個人の資産である、ってことで、手が出せない、っていうことが多く出ている。

 

また、この相続人を特定するだけでも、僕も、行政書士として、それをやったことがあるけど、相続人を特定するための、戸籍収集というのは、たいへん困難で、代襲相続や、数次相続が発生していると、その戸籍の通数となれば、めちゃくちゃ多くなることも確かで、その費用もかなり多いけど、それは、地元市町村の負担となり、また、やっと相続人が確定されたとして、さらに、それらの人が、すべて相続放棄して、やっとのこさ、国の財産(負の財産だけど)となるわけなんだよ。

 

で、国は、多くの負の遺産を持つこととなり、それで、やっと、国民の血税を使って、解体工事をする、ってことになるんだよね。

 

こういうことが、ごくたまにあるケースだから、法律を変える必要はない、って言えば、確かにそうだし、ほとんどの日本国民は、若干、相続手続きに遅れを生じている場合もあるとは言え、まあ、いつかは、相続手続きをやっていることから、まあ、今回のことは仕方ないことのなのかな、ってのは思うけど。

 

僕としては、不動産登記法上の建物については、自動車のリサイクル料金と同じような、保証金を納める制度が必要だと考えている。

 

例えば、1千万の建物を登記したときに、その解体費用分として、どうだろう、例えば、五分の一程度、200万ほどのリサイクル料金(解体費用)を保証金として国に預けて、自分、もしくは、相続人が、自腹でで解体したと認められれば、その保証金は返還する、って感じで、そういう法律を、今後、作っていく必要があるのだと思うんだけど、どうだろう。

 

それと、最近、法律化しようか、っていう話も出ているけど、相続税には法律で期限があるけれど、相続手続き自体は、法律化されていなく、相続手続きをしなくとも、なんら、罰則が設けられていない、っていうのも問題だとは思うけどね。

 

この話は、別に今始まった話じゃないし、ずいぶん前から、問題視されてきたことだよね。それを、法律化せず、問題の発生を起こしているのは、唯一の立法機関である、国会、いわゆる、国会議員の怠慢であり、なんとか、いち早く、この民法を含む、相続の問題については、法律改正を望むのであるけれど、どうだろう。