人間だから、いつか、誰にも死というものがやっていることは知っているが、俳優の田村正和さんの訃報を聞いて、とても残念に思っているのは、まあ、俺だけじゃなく、国民の多くがそう感じているのだろう。
いろんな番組に出演されていましたが、やはり、僕としては、古畑任三郎シリーズが、いちばん、俳優、田村正和を出した番組ではないか、ってことは思います。
古畑任三郎シリーズは、生で、8チャンネルを見たいたことはもちろん、その後、BSで、何度も再放送され、どういうストーリーか、ってのがわかっていても、どういう台詞が次にでるか、ってことがわかっていても、その言葉や、仕草を見たくて、何度も何度も繰り返して観たものでした。
何度観ても、ストーリーがわかっていても、やっぱり観てしまう、とても面白い番組でしたね。
三谷幸喜さんの演出も影響が大きいとも思いますが、田村正和さんのダンディで、クールで、ちょっとおとぼけがある、あの姿が観られたことは、この平成の時代に生きて、とても、うれしく、楽しみをいただけた番組でした。
ご自身の引き際も、わかっておられたのでしょうね。
晩年は、もちろん、からだのこともあるでしょうが、自ら、老いた自分を見せることに対する、自分の美学というものを押し通されたような気がします。
わたしにとっては、いつまでも、あの黒いスーツで、かっこいい自転車に乗って、事件を次々と解決していく、古畑任三郎であってくれて、本当に感謝しています。
心より、ご冥福をお祈りするものです。
