行政書士寺村事務所のブログ

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投票所を一番に訪れた投票者に、投票箱に票が入っていないことを確認してもらう、ゼロ票の確認。これが、案外、選挙事務の担当者には面倒なんだよね。

市役所をやめて、10年経ちますが、選挙に関する事務について、ちょっとおもしろい話があるので、ちょっと話してみます。

 

通常、選挙は、期日前投票不在者投票以外は、通常の投票日に選挙が行使されます。

 

基本的には、午前7時から、午後8時まで。もちろん、離島とかなら、時間を早めるなど変更することもありますが、まあ、わずかな例であり、通常は、午前7時から午後8時まで、ってのが、投票する時間ということになります。

 

まず、最初の、午前7時の投票開始ですが、通常、投票事務に携わる人は、前日に、投票所の準備をすべて終えて、当日は、おおよそ、6時半くらいをめどに、投票所の準備が完了するような時間配分で投票所に来ることになっています。

 

選挙の庶務係は、前日の夜に、市役所から受け取った、期日前投票の処理を終えた投票者名簿と、選挙区選挙と、比例代表の2種類の投票用紙を、その朝、各担当者に渡し、すべての作業が完了したことを確認して、自前のラジオのNHK時報にて、投票が開始されます。

 

午前7時からの投票なんですが、おそらくどこの投票所でも同じだと思うのですが、一番乗りを目指す人がいて、早い人だと、それこそ、6時半前に投票所にこられる方もいることもあります。

 

選挙事務で、投票開始以降に、最初にやらないといけないのが、投票箱のゼロ票確認

 

最初に投票所に来た人に、投票用紙を渡して、投票箱に入れる前に、投票箱の中に、何も入っていないことを確認してもらい、署名をもらう必要があるのです。

 

投票箱って、投票がはじまったら、厳重に鍵がかかっているかというとそうではなくて、誰も投票する前は、ふたをあけて、全部が見られる状態にして、はじめて投票するひとに、中身を確認してもらったうえで、上ふたを閉じる、ということになり、すべての投票が完了する午後8時に、はじめて、投票箱に鍵をかけるのです。

 

でもって、このゼロ票確認ですが、やっぱり、最初に投票したいっていうひとは、それなりに意思を持って来られているので、誰が一番乗りか、ってのを把握するのも、庶務係の重大な任務となります。

 

いつの間にかわからないうちに、例えば、二人が待っておられたら、どちらが先に来られましたか?って聞いて、それで、一番投票者を特定する必要があるのです。

 

で、このゼロ票確認は、投票所に一番乗りした人にしてもらうってのが決まっているので、(正確な規則があるかどうかはわかりませんが)その人に、まずは、投票用紙を交付して、投票用紙に記載してもらい、はじめて、投票箱投票するってところで、その最初の人に、投票箱の中に何も入っていないことを確認して、あとで、それについて署名してもらう必要があるのです。

 

これが、一人1票なら、特に問題もないのですが、今の選挙は、一人、2投票がほとんど。場合によっては、地方選挙も一緒にってことで、一人3票投票することもあります。

 

もちろん、衆議院選挙であれば、通常の選挙区と、比例代表と、最高裁裁判官と少なくとも三つの投票をする必要がありますので、そこでいろいろと問題が生じるのです。

 

少し話は戻り、例えば、今回の参議院選挙で、選挙区選挙で、1票を投じる人にゼロ票確認をしてもらうとする。

 

ただ、いつの間にやら、2番目に来た人が、1番目の人がゼロ票確認をしている間に、さっさと比例代表も書いちゃって、即、投票しようとする。

 

基本的にゼロ票確認は、選挙区選挙も比例代表も関係なく、唯一、一人だけだから、選挙区選挙で、一番にゼロ票確認してもらっている間に、2番目に来た人が、さっさと比例代表を書いて、一人目より先に投票しようとしてしまうようなことがあるのです。

 

特に、一番乗りの人の動作が遅く、二人目の動作が速いと、選挙区選挙ではゼロ票確認ができても、比例代表で、ゼロ票確認をする前に、二人目が投票行動をすることになってしまう。

 

これは、選挙事務でもまずい、って思って、選挙区で2番目に投票した人が、比例代表で、1番に投票することを避けるために、「ちょっと待ってください」って、言わざるを得ない状況があるのです。

 

まあ、これは、選挙事務の中で、投票用紙交付係との連絡がうまくいっていなかったと言われればそうなんですが、その時間的なものは、わずかな範囲ですので、このような問題が生じることが、過去にもなんどもあったということなんです。

 

選挙区選挙と比例代表の投票用紙を間違えて交付した、っていうニュースは、いまだに、各地で発生していて、いったいどういう事務してんだって思いますけど、ちゃんとやっていても、ゼロ票確認で、けっこう、ミスを生じる可能性があることも理解していただければ、選挙に携わる市役所職員も、ちょっとは、気をつけて、より、間違いのない方法を選挙管理委員会が考えていただければいいな、とは思いますが。

 

ところで、自分は、公示翌日に期日前投票を、ビバシティ彦根で終えました。

 

滋賀県選挙区は、大激戦のようですね。誰が当選しても、いい政治をしていただくことを心から望みます。