ル・マン24時間レースに、トヨタひとりだけが、なんだか、そこいらの、小さなチーム相手に、ぜんぜんカテゴリーの違う中で、優勝を目指す、っていうか、まあ、当然ながら、1、2フィニッシュをするのが間違いないのだけれど。
ポルシェやアウディが、あえて、このル・マン24時間レースから撤退した理由は、メーカーとしてのスタンスを、ガソリンエンジンから、電気モーターへの転換を、自分たちはやりますよ、っていうスタンスがあってのことであることは間違いありません。
今年、トヨタが勝ったら、さすがに、来年も出るのかどうかはわかりませんが、今、現在、フォーミュラEという、電気モーターでのレースが脚光を浴びている時代において、いまだに、ガソリンと電池の共有である、ハイブリッドを推進しているトヨタが、今後、完全なる電池化に遅れをとるようなことがあってはならないことは、トヨタの首脳陣も重々分かっているはずで、それでも、あえて、ル・マン24時間レースに出ているってのは、やはり、なにかの理由があるのだろうか。
ただ、そういうことを言う一方で、今後、将来、自動車レースが、電気モーターでのレースばかりになったら、もはや、モータースポーツってのは無くなるとも思っています。
モータースポーツって、とんでもない速さで、サーキットを走り、その爆音と、いつ事故が起こるかわからない、っていう緊張感があって、はじめて、みんなが、お金を払って、レースをみるもの。
これが、爆音もなく、スピードだけは速かったとしても、それに感動を覚えることは無いと思う。
ましてや、AIが発達して、人間がドライブするより、AIがドライブしたほうが、より、速くサーキットを走るのであれば、もはや、人間が登場する場もなく、単なる、テストドライブをAIがするっていうだけのものになってしまう。
人間って、なんか、怖いもの見たさってのがあって、もしかして、このスピードで、事故が起こったら、もしかしてドライバーが死ぬかもしれない、っていうことがあるから、モータースポーツってのが成り立っているわけであり、それがなくて、機械を機械がドライブし、事故が起こっても誰も死なない、ってなったら、もはや、モータースポーツの終わりということになる。
僕としては、なるべく、今後も、人間がドライブして、人間の持つ、テクニックで順位が決まるレースが残ることを望むところではありますが、これも、あと、10年たてば、はたして、それもどうなっているかはわかりませんね。
将棋や囲碁が、もはや、AIにはまったく歯が立たないことを考えれば、モータースポーツも同じことが言えるのは間違いありません。
でも、おそらく、将来的にも、あの爆音とスピードを望むひとは、わたしも含めてたくさんいるでしょう。
今後、どれだけ、レースが変わるかわかりませんが、なんとか、ヒューマンっぽい自動車レースを残して欲しいっていう希望はいまもかわりません。