エクセルの1900年問題。
なに、それ?とお思いの方も多いと思います。
実は、わたしも、今の家系図作成を含めた行政書士の仕事をするまで、サラリーマン時代からエクセルは使っていましたが、通常使う分には、普段の仕事に何の影響もないので、何も感じてはいませんでした。
しかしながら、家系図の中でも、ご先祖様の生年月日から、それを和暦に変換することができないのは、たいへん面倒であり、なんとかしてくれないか、と思うことがあるのです。
それが、エクセルの1900年問題なんです。この1900年問題というのは、エクセルで、和暦変換ができる最古の日付が、1900年1月1日であり、その日のシリアル値が1であるということです。
つまり、1899年12月31日以前、元号でいうと、明治32年12月31日以前は、エクセルは計算できません。
表を見ていただくとわかると思いますが、1900年1月1日、明治33年1月1日のシリアル値が1であり、それ以前はあり得ないのです。
ただし、家系図を作成するうえにおいては、登場する人物は、江戸時代に生まれたかたも多いし、それほど古くなくても、明治30年くらいの人は、非常にたくさん登場するのですが、その人たちの生年月日を和暦で、一気に変換することはエクセルではできないのです。
変換できないということは、当然、そのシリアル値がないので、年齢計算もできないので、電卓たたいて計算しなければなりません。
エクセル自体が、最近、作られたソフトであり、作ったひとは、まあ、1900年以前を基準にする必要もないだろうから、1900年1月1日を基準に作っちゃえ、っていう軽い気持ちで作ったのでしょうが、それは、今となっては、取り返しがつかないソフトになっていることになってしまっているのです。
今後、いつまでもワードエクセル時代が続くとも思えませんし、もしかしたら、西暦0年1月1日のシリアル値を1にするというソフトが出てくるかもしれません。
ただ、現在ある、エクセルの膨大なデータを、その新しいソフトがどのように変換できるのかは難しいところかもしれませんし、相変わらず、エクセルが世の中にはびこるようであれば、その解決方法もないと言っていいでしょう。
だいたい、江戸時代の元号である、文化とか、文政、天保なんて言葉なんて、家系図を作る人間くらいしか、その必要性がないので、そのわずかな人間のために、大幅なソフトウェアの改良を行うことは絶対にないでしょう。
まあ、オープンソースの表計算ソフトが出れば、いっそのこと、それにしようか、ってこともあるでしょうけど、エクセルのデータとの変換をどうするのか、という大きな問題もあるし、1900年以前のデータを扱う人が限りなく少ないのであれば、それも期待薄なんですよね。
まあ、しゃーないわ。それで、お金もらってるんだもん。それくらいは、電卓をたたいて、計算するしかないか、というところで落ち着きます。
追伸
日本語変換ソフト、ATOKは、明治6年1月1日から変換が可能です。
「m6.1.1」変換で、明治六年一月一日と変換できます。
これは、ジャストシステム社、改良の余地がありそうなので、毎年お布施払っているのだから、なんとかして欲しいですね。