行政書士寺村事務所のブログ

滋賀県彦根市の行政書士寺村事務所です。自動車関連のお仕事や、相続関連のお仕事をやっております。どんなことでもかまいませんので、どうぞ、お気軽にご相談ください。

自分の現在戸籍上の、本籍地と筆頭者を知らない人があまりに多い、というおはなし

家系図を作成するうえで、まず、ご依頼者様のご自身の現在戸籍(全部事項証明書)を取る必要があるのですが、その時に必要な事項として、

 

ご本人の現在戸籍における、本籍地と筆頭者、および、筆頭者の生年月日。

 

基本的には、これが正確でないと、まず、最初のご依頼者様の現在戸籍(全部事項証明書)を取ることができません。(あいまいでも、だいたいあっていれば交付してくれる役所もあります)

 

家系図の作成に必要な戸籍を取得するためには、まず、そのご依頼者様の現在戸籍の情報を取る必要が絶対的に必要です。

 

その戸籍を取得することによって、それに記載の情報から、それ以前の戸籍を、どんどんとさかのぼることが可能なのです。

 

ところが、ご依頼者様の中には、ご自身の現在戸籍の本籍や筆頭者について、知らない方も多くあり、その影響からか、最初の、ご依頼者様の現在戸籍を取得するために、1ヶ月以上かかることもあります。

 

だいたい、戸籍上の、本籍地と筆頭者なんて、普通の人は、なんだかぼんやりとはわかっているけれど、正確には知らない、っていうのが普通なんです。

 

これは、住民票上の、現住所と世帯主というものと、戸籍上の本籍地と筆頭者が、イコールであればいいのですが、そうでないケースも多々あり、そのために混乱を起こすことがあるからです。

 

この住民票上の住所と世帯主が、戸籍上の本籍地と筆頭者が同じ場合が多いので、(男性の場合が多く、既婚女性であれば、旦那が筆頭者やろくらいの認識)だいたい、それを記入して役所に申請すれば、多くの役所は、仮に本籍地が違っていても、交付してくださる役所も多く、助かります。

 

ただ、役所のなかには、堅い、っていか、かなりこだわりがある役所もあって、本籍地と筆頭者の名前が1字でも違っていれば、交付できません、っていう役所もあるので、そうなると、電話でいろいろと話をしても、結局のことろ、ご依頼者様に再度、ご足労をおかけすることもあるのです。

 

この住民票と戸籍。よくにているけれど、まったく違うもの、しかも、基本的に生活に必要なものは、住民票のことが多く、それで、役所のサービスが受けられるので、戸籍というものが必要になるのは、自動車の運転免許を取るときと、自分の両親や配偶者が亡くなったときに、戸籍を取得する必要があるときくらいで、そもそも、戸籍というものを取得する必要性が、一般的にはほとんどないことが理由だと思います。

 

ただ、家系図を作成する上で、必要なのは、現住所や世帯主ではなく、本籍地と筆頭者なんです。

 

日本の歴史においては、昭和23年の民法が変わるまで、戸籍というものしかなく、住民票、住民基本台帳というものの2段重ねで、個人を特定する手段が2通りになったことから、この問題が発生したものと認識しているのです。

 

昭和23年以前は、いわゆる戸籍が、住民票と同じだったので、筆頭者という言葉はなく、戸主(家のあるじ)というのが家の代表者ということでした。

 

で、戸主を中心に、両親や両祖父母、兄弟、子供、孫、さらに甥姪がひとつの戸籍に入っていたので、ひとつの戸籍の中に、10人以上の人が存在するのが当たり前だったのです。

 

昭和23年の民法改正、戸籍法改正に伴い、それまで、戸主を中心とした戸籍から、夫婦と、その独身の子供という単位に変わったので(正確には昭和32年法務省令)戸籍が、とてもシンプルなものに変わりました。

 

そして、平成6年には、法務省令にて、これまで、手書きで戸籍を書いていたものを、コンピューターを利用してもかまわないよ、っていう省令がでたもので、それ以降、お金のある自治体は、順次、戸籍をコンピューターによる電子化作業をはじめました。

 

よく、戸籍謄本、って言葉を使いますが、現在、役所にいって、自分の戸籍謄本をください、って言えば、たぶん100%、「はい、わかりました」って答えが返ってくると思いますが、実際に手に取るのは、戸籍の全部事項証明書というものです。

 

これは、謄本というものが、現実に存在している書類を写したものというであることに対して、全部事項証明書というものは、コンピューターで管理された、戸籍情報を、何かの原本をコピーするわけではなく、データとして、印刷されたもの、ということになっています。

 

だから、謄本ではないのです。事項証明書なんです。でも、大丈夫です。戸籍謄本で、話はとおります。

 

戸籍謄本と言う言葉が、現在においても有効であり、すでに市民権を得ているので、今、自分の戸籍謄本が欲しい、と役所に請求すれば、ちゃんと、全部事項証明書をだしていただけます。

 

まあ、こんなことはどうでもいいのですが、特に、独身の人の依頼者様においては、あなたの本籍と筆頭者を教えてください、って頼んだ場合において、父は、すでに亡くなっているので、母親が筆頭者だと思います、ってことを聞くこともありますが、筆頭者というものは、仮に亡くなっていても、筆頭者のままです。

 

世帯主と違って、筆頭者は、生存している必要がないのです。

 

また、本籍地に関しては、今、住んでいる住所と違うケースも多々あります。

 

ややこしいことを書きましたが、もし、ご自身の本籍地と筆頭者がわからない場合は、現在の住民票上の住所と、あなたの名前と生年月日がわかれば、本籍地と筆頭者はわかります。

 

家系図作成をご依頼されるかたで、本籍地と筆頭者なんて知らない、って方は、どうぞ、現住所と生年月日だけを教えてください。

 

それがわかれば、あとは、こちらでなんとでもなります。

 

以上、家系図作成にかかる、よもやま話でした。