自分の過去を消すことは可能なのか?戸籍のおはなし。
今回は、戸籍というものについて、お話をさせていただきます。
戸籍ってありますよね。もちろん聞いたことはあるよ、っていう人がほとんどだと思います。
戸籍って、いったい何が記載されているのかな。
なんか、自分とか、家族のことが記載されている、市町村役場が管理している書類だという感覚をお持ちのかたが一般的ではないでしょうか。
住民票って、あるけれど、あれよりは、ちょっと格式高いものなのかな、くらいの感覚をお持ちの方も多いと思います。
実は、自分が記載されている戸籍をとったことなんてないよ、っていう人もかなり多いのではないでしょうか。
だって、普通の生活で、戸籍が必要なことってほとんどありませんからね。
せいぜい、自動車免許を取得する時、結婚するとき、あと、両親のどちらかが亡くなっって、相続に必要な書類として、不動産や、預貯金の整理をしなければならない時くらいなものです。
しかしながら、戸籍というのは、この日本国においては、めちゃくちゃ重要な書類であることは間違いありません。
もっと、わかりやすく説明すれば、あなたの人生そのものが、すべて戸籍に記載されいます、ということなのです。
表題に戻りますが、
自分の過去を戸籍上、消すこと、隠すこと、ないものにすることは可能か、という質問に関しては、残念ながら、自分の過去を消すことはできません。
現在の戸籍、現戸籍、戸籍の全部事項証明書には、基本的には、平成6年法務省令による改製以前の情報は掲載されません。
だから、仮に、離婚経験があっても、その情報は現在戸籍には記載がないのです。
でもって、結婚する際に、彼、彼女から、「あなた、きみの戸籍を見せてよ」って言われた場合、それが平成6年法務省令以降の戸籍であれば、自分には婚姻履歴はありませんよ、っていうことが可能なのです。
ただし!
それは今の戸籍でしょ。従前の戸籍も見せてと言われてしまった場合において、もし、過去に婚姻や離婚の履歴がある場合はそれを隠すことはできません。
そうなんです。婚姻や離婚、養子縁組の歴史は過去の戸籍を見れば、すべてわかります。
婚姻関係がなくとも、子供を産んだ経緯。男だったら、その子を認知した経緯。それらは、戸籍上、すべて記載がされており、過去の戸籍を見れば、その人がどういう人生を行ったかというのはすべてわかるのです。
でも、それは、その戸籍を請求できる人が請求すれば、わかるのであって、もちろん婚姻前の彼氏、彼女が、相手に対して、前の戸籍を請求できることはありません。
だから、仮に彼氏、彼女からの請求があったとしても、現在戸籍(全部事項証明書)を見せてあげれば、ああ、相手はきれいな人なんだ、と思い込ませることは可能だということです。
ちなみに、戸籍を請求できる人というのは、自分自身のほかに、直系尊属、直系卑属、配偶者に限られます。
どうしても、彼や彼女の過去を知りたいという場合は、誠意を持って、聞くしか方法がないことであることを断言します。