結婚があれば、当然離婚もあります。
好き同士で結婚しても、何年も経過すれば飽きてくることもあるし、
どちらかが、不貞をおかしたことにより、互いの信頼がなくなったり。
あと、お金の問題で、ケンカが絶えない、なんてことも離婚の原因ではありますよね。
前回、戸籍の話で、わたしたち「入籍しました」という言葉が、すでに市民権を得ているけれども、使い方としてはおかしい、というお話をしましたが、今回は、離婚=バツイチについても少し触れてみたと思います。
離婚の経験があることを、わたしはバツイチです。ってよく言いますよね。
バツイチっていうのを使用したのは、たぶんですが、明石家さんまさんが大竹しのぶさんと離婚したときに、記者会見で、さんまさんの額にバツ印をつけて会見をおこなったことから、バツイチという言葉がはじまったのではないか、という説が一般的なようです。
このバツイチという、バツですが、昭和23年以降に婚姻された方は、それまでの親の戸籍から除籍となり、夫婦ふたりのどちらかが筆頭者となる新戸籍が編製されます。
さて、婚姻届を出す際に、日本では圧倒的に、夫の名字を選択するひとが多いという説明を、前にいたしましたが、そうなると、一般的には、夫が筆頭者となり、仮に、離婚となると、筆頭者である夫、およびその子供は、そのまま、夫の戸籍に残りますが、妻は、その名前の上にしっかりとバツ印が書き込まれます。
これが、離婚=バツ印=バツイチの語源ではないかと言われています。
ただ、このバツイチも何度も連呼するようで悪いのですが、確かにすでに市民権を得ています。
バツイチ=離婚経験、というので世間では十分に通用しますし、逆に言えば、離婚経験があります、っていうより、バツイチです、っていったほうが、より理解されやすいのも事実です。
すでにバツイチという言葉が、離婚経験を意味することであることは誰も否定はできません。
ただ、現在の戸籍は、仮に離婚してもバツ印はつきません。いや、正確に言えば、日本では3つの市町村以外は、平成6年法務省令以降、じょじょにコンピューター化されているので、かりに離婚しても、その戸籍にバツ印がつくことはないのです。
現在の戸籍、戸籍の全部事項証明書と言いますが、これは、平成6年法務省令にて決まったあたらしい戸籍の形式で、この場合、離婚した際には、その除籍になる人に「除籍」と記載され、その原因として、何年何月何日に協議離婚、などの理由が記載されるだけです。
名前の上に、バツ印はつきません。さんまさんが離婚したときには、まだ、平成6年法務省令の適用がされておらず、そのときに戸籍をみたら、夫か妻のどちらかにバツ印がついていたので、記者会見で、額にバツ印をしたのでしょう。
もしかしたら、さんまさんとしのぶさんは、筆頭者がしのぶさんで、さんまさんにバツ印がついていたので、そのようにしたのかもしれませんが、そのあたりはわかりません。
今の戸籍は、平成23年に制定された戸籍を踏襲しているものの、コンピューター化が進んだため、あたらしい戸籍様式にしてもいいよ、っていう感じになっています。
実は、日本でも、夕張市、佐渡の一部、小笠原諸島の一部の3つくらいでは、まだコンピューター化がされていないようで、そこで、離婚すると、しっかりとバツ印がつきます。